『ミントとマンホール城物語』



 時は現代、日本列島のはしのはしに位置するリヴリーアイランドでは、この日何かが起ころうとしていた。

この物語は、主人公・ミントのミステリー、かつ恋愛物語を描いた作品です。



第一章『朝の出来事』

 「チュン、チュンチュン」

朝の小鳥のさえずりで、ミントは目を覚ました。

「ふわあ・・・」

手で目をすりすりとこすると、ミントはベットからでた。

天窓から朝日が差し込んでくる。そんな朝だった。

「ぬ?」

窓を見るとそこには、青く澄んだ綺麗な空が広がっていた。

「あ、チャンス!」

なんのチャンスかというと、その綺麗な空を撮り、部屋に飾りたいという簡単な理由だった。

いそいで枝で出来た小さいカメラを持つと、外へ飛び出た。

ミントはバニヤンツリーの砂浜に住んでいた。バニヤンツリーの根っこと根っこでできた空間を家にしている。

「パシャ★」

早速絶景を撮ってみた。撮った写真を確認してみると・・・。

「青く澄んだ綺麗な空」の写真のはずが、「綺麗な空をバックに小鳥が飛び立つ瞬間」の写真になってしまった。

「ま、いいか♪」

そういうとミントは朝食をとるため、家に戻った。

「今日はコガネグモを食べよう。」

ミントは朝食に、必ずクモを食べるようにしていた。美白成分はないのだが・・。

ミニ・ラジオをかけると、朝からウキウキ気分、な音楽が流れてきた。

冷蔵庫をあけてみると、テントウムシで作ったケチャップ、オンブバッタの蒸し焼きしかなかった。

「・・・買いに行くか・・。」

仕方なくミントはパキケフーズに行くことにした。

さっき撮った写真にあるはずのないマンホールが写っているのも知らずに―・・・・。



「ん・・・?」

ミントはついさっき買ってきた新鮮なコガネグモを食べていた。

食べながら、グリンの丘の臨時10秒現像サービスに出してきた写真をみながらうなっていた。

「こんなマンホール、あったっけ・・・?」

ミントは外へでてみた。しかしマンホールはない。

なんでだ?

ミントはとってはならないものを撮ってしまったのだ。



第二章『絶体絶命の危機・・・!!』

 「絶対おかしい・・」

写っているマンホールがない。そもそもなぜ砂浜にマンホールがあるのか・・。

マンホールがあるはずの場所を触ってみた。

何もない。何もないのだ。何度も言うが「ないのだ。」

ミントはミュラー博士の研究室に行くことにした。博士にこのことを言おうと思ったのだ。

そういっていこうと、強く踏むと・・・

「ガコンっ!!!!!!」

いきなりマンホールが写っていた場所にヒビが・・・・

「わ、わああああああああっ!!!!?」

ミントは地面に引きずり込まれた・・・。

  +++++++++++++++++++++          

「イタタ・・・・」

ミントはゆっくり目を開けてみた。

「こ・・・ここは・・・?」

そこはどうみてもマンホールの中だった。でも普通とは違い、全く水がない。

「・・・・・」

ミントは何が起こっているのかよくわからなくなった。ないはずのマンホールが写真に写り、いきなり地下に落とされたのだから。

「どうしよう・・・」

上から落ちてきたはずなのに、上も見てもその穴がない。

そういってミントは立ち上がろうとした。

「誰だ!!?」

「ビクッ」

うしろから大きな声がした。そして響いた。

ミントはびっくりして固まってしまった・・。

「何者だ?」

そのリヴリーは懐中電灯を持ち、よろいを着ていて、武器も持っていた。

そして懐中電灯の光をミントに照らしていた。

「・・・」

ミントは黙ったままだった。

いきなり叫んだリヴリーはミントが怖がっているのに気が付いた。

「・・・迷子か?」

そのリヴリーは優しい口調でミントに聞いた。

「・・・あ・・・え・・・」

ミントは何か言ってこの場から逃げようとした。だがその言葉が出てこない。

「そういうことか。」

そのリヴリーはうなずきながらそういった。

「・・・え・・・は?」

汗がポタ、と落ちた。もうわけがわからない。この場を絵で表すならば、多分ミントの頭の上には困惑のマークが描かれると思う。

「とりあえずついてきな。」

ミントはそのリヴリーに従い、ついていった。

突然、そのリヴリーはしゃがみこんだ。

そして地面にある2m×2mほどの木のドアを開けた。ドアにはオオツノワタケと三日月が彫ってあった。

「あの・・・」

ミントはなにが起こっているのか聞こうとした。

しかしそのリヴリーはそのドアの下へ向かってピョンと飛び降りていってしまった。

「・・・え?!」

ミントも飛び込んだ。

「パチ・・」

目を開けてみた。飛び降りたはずなのに、どこも痛くはない。

「お、目を覚ましたか。ちょっと遅れたが、自己紹介をするか。」

「は、はい。」

ミントは焦って返事をした。

「オレはピグミー。黒いからクロピグ、とか呼ばれることもあるがな。オレはここの番人をしている。」

「あ、私は、ミントです。ラヴォクスのミント。あの・・・ココどこですか?」

「・・・・うむ・・・・」

ピグミーは少し怖い顔をした。

「・・・いいだろう。話してやる。」

「そもそもリヴリーアイランドはな・・・」

こうしてリヴリーアイランド誕生秘話がはじまった。(これは作者の作り話です。)

+++++++++++++++++++++++++++++

今から何百年も前、日本近海で大津波が発生した。近くの小島は波でつかり、日本でも大変な被害を受けた。

やっと波がひいた時、小島の島々は姿を現した。

しかし新しい小島も姿を現した。

今までは海の下にあった小島が、波がひけたため姿を現したのだ。

もちろん、誰も住んでいない無人島だった。

そんな時、日本では賢者の石の研究がはじまった。

ある日、研究中のフラスコの中から不思議な生き物が誕生した。それは猿とネズミを足して二で割ったような生き物だった。

それがリヴリーのはじまりだったのだ。その生き物はピグミー(小人の意味)と名づけられた。

しかし研究者たちは意味のないものを誕生させてしまった、と激怒した。

・・が、住民たちの話を聞いて、その顔は一変。

突然誕生したその生き物は宝石の糞をだすのだった。

しかし研究者や住民たちは次第に強欲さをまし、糞を出させるために体を絞ったり、多く宝石を出すものを奪い合ったりした。

リヴリーたちは日本での生活に疲れ、今まで誕生したすべてのリヴリーが乗れるくらいの大きさのいかだを作り上げた。

そしてリヴリーがすめる、無人島を探すたびに出て行ったのだ。

ちょうど津波でできた無人島を発見し、リヴリーたちはそこに住むようになった。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++

「これがリヴリーアイランドのはじまりだ。」

ピグミーはそういった。

「じゃあ、ここはなんなんですか?」

「・・・ああ、ここは裏リヴリーアイランドだ。マンホール城とも呼ばれる。」

「う・・・裏リヴリーアイランド・・・?」

「ああ。そうだ。」

「どうしてこんなところが・・・」

「・・・説明してやろう・・・。」

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

リヴリーアイランドが誕生して10年ほどたった時、当時の王だった「ケマリ」が秘書たちと密かに裏リヴリーアイランドの計画をはじめた。

決して悪い理由ではなかった。

将来、もしこのリヴリーアイランドに何か起こったとき、裏リヴリーアイランドをつかってほしいと思ったからだ。

しかしその計画がリヴリーアイランド中にばれてしまい、ケマリ、秘書など計画に関わっていたリヴリーたちは死刑になった。

ただ一人、計画に関わっていながら死刑をまのがれたリヴリーがいた。死刑になる者はその残ったリヴリーに裏リヴリーアイランドを完成させてくれよ、と言った。

残ったリヴリーはうなずいた。

こうしてケマリ、秘書たちは死刑された。

残ったリヴリーは1人だけで計画を続けた。やがて新しい王、「キング・ケマリ」もその計画に賛成してくれた。もちろん秘書たちも。

こうして何十年かたったとき、やっと計画がまとまった。

そのころには裏リヴリーアイランドの計画に反対するリヴリーの世代ではなくなっていた。

アイランドの住民全員が賛成してくれた。

しかしこのせまい島の中ではそんな土地はない。

そこで地下に作ってはどうか、ということになったのだ。

やがて裏リヴリーアイランドは完成。しかしどんどん世代は変わり、親も祖父・祖母も、

子供、孫にこのことを伝えなくなり、誰も裏リヴリーアイランドのことを知らなくなった。

しかし、ただ1人知っているリヴリーがいた。

そのリヴリーは裏リヴリーアイランドに住み着いた。仲間たちも住み着いたのだ。

そして現代。いまだにリヴリーアイランドには裏リヴリーアイランドのことは知られていない。

もし知られれば、裏の最期にもなってしまう。こうしていままで隠し続けてきたのだ。

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「これが裏リヴリーアイランド誕生秘話。」

「でもどうして隠しているのに写真に写っちゃったの・・・?」

「ああ、写真だけは表裏ともに共通だったのだ。だから写ってしまったのだよ。」

「・・・へぇ・・・」

「さぁおしゃべりはおしまいだ。この国の者皆ミントのことを知ったころだろうな。」

ミントはあたりを見回してみた。ここは丘の上だったため、見通しがきいた。

北のほうには果樹園(主に林檎)が広がっていた。

南にはソテツの砂浜、南国モデルが広がっていた。奥には海もある。

東の方には森林があった。マルルの木、梅ノ木、桃の木、松の盆栽などが植えられていた。原生林もある。

西には大きなお城があった。扉にはオオツノワタケと三日月の紋章が刻まれていた。

地面にはオオツノワタケと三日月のタイルが交互に並べられていた。ワタケのタイルにはローマ字で「SUNMIN」と書かれていた。

海にはタイルではなく砂、森林にはタイルではなく草、果樹園にも草があった。

とりあえず城へ行こう。

そういうと2人は城へ向かった。



第三章・マンホール城



 「ここがオレの部屋だ。疲れているだろう。夕飯まで寝なさい。」

ピグミーはミントをベットに寝かせてくれた。

「・・・ありがとうございます。」

「夕飯の時間になったら起こしにくるよ。」

そういうとピグミーは部屋を出て行った。

急に静かになった。ミニ・ラジオがあればかけていただろうに・・・。

ミントは寝ることにした。そしてゆっくり目を閉じた。

+++++++++++++++++++++++++++++

「おうい、夕飯の時間だよ。」

ピグミーは優しく起こしてくれた。

「・・・ふわあ・・・」

ミントはあくびをした。

「さて大広間にいこう。」

部屋を出て、長い廊下を歩き、階段をおりて、大きな扉をあけた。

扉にはやはりオオツノワタケと三日月の紋章が刻まれていた。

2人は席に座った。豪華な夕飯がおいてあった。

シェフは厨房で忙しそうに料理を作っていた。給仕のリヴリー(ラヴォクス)はならべられたティーカップにシマミミズの紅茶を注いでいた。

だんだんリヴリーが集まってきた。番人、掃除婦、その他、城の者が・・・。

奥には特別に装飾された椅子、特別に装飾されたティーカップ、特別に装飾されたお盆にお皿・・・。

やはりすべてにオオツノワタケと三日月が刻まれていた。

料理も終わった。皆椅子に座った。

【キィイ・・・】

扉を開ける音がした。家来らしきリヴリー数匹と美人のオオツノワタケが入ってきた。

会場は静まった。が、すぐに

「女王様―っ、お食事の準備が整いました!」や、

「今日のメニューは女王様のお好きなケセランパサランのシチューでございます。」や、

「スンミン様―、上着、お預かりいたします」

などの声が聞こえ始めた。

「ピ・・・ピグミーさん、スンミンって誰?」

「ああ、この城の女王様だよ。扉やグラスにもオオツノワタケが刻まれているだろう?これがスンミン様だ!」

「へぇ・・・美人な方ですね」

「当たり前だ。美人だし、性格も優しいし、お上品だし・・・」

ミントとは正反対だ、と最後に言おうとしたらしいが、それはいえないとばかりにピグミーは口を閉じた。

「・・・・・・」

ミントは何を言おうとしたのかわかった。

「・・・・・・」

2人の間に沈黙が走った。

(・・・そっか・・ピグミーは女王様が好きなんだ。さっき寝かせてもらったピグミーの部屋にだって女王様の写真ばっかりだったし・・今のいいっぷりでもわかる・・・)

どうでもいいことをミントは思っていた。

いただきますのあいさつをするといっせいに食べ始めた。

ミントもちょっぴりずつ食べた。でもすぐ食べる手が止まった。

「あ、ミントの飲み物ないな。今とってくるよ。」

別に飲み物がなくて食べれないわけではなかったが、ミントはうなずいた。

ピグミーはムラサキシジミのワインとシマミミズの紅茶どちらがいい?と聞いた。ミントは紅茶を選んだ。

すぐにピグミーはティーポットをとってきてくれた。そして注いでくれた。

「・・・どうもです・・。」

でも紅茶を飲むだけで、ミントはご飯を食べようとはしなかった。好きなメニューなのに・・・。

(・・・頭痛い・・・・。)

ミントは激しい頭痛に襲われていた。でもこれ以上ピグミーに迷惑はかけられない。

(うぅ・・・)

もう我慢ができなくなった。同時に周りが真っ白になってきた。

(あ・・・)

【カターン…….】

ミントは椅子ごと倒れた。そして気を失ってしまった・・・。

+++++++++++++++++++++++

「・・・は・・・っ」

翌朝、ミントは目を覚ました。そこはピグミーの部屋、それもベットの中だった。

何時だろう、とミントはオオツノワタケの形をした時計を見てみた。もう朝の10時だ。

「うぅ・・・ん・・」

頭痛もなんとかおさまっていた。

【ガチャ・・・】

ドアの音がした。ピグミーだった。

「朝食、とってきたよ。」

金色のお盆には3つの銀色の皿がならべられていた。

少し深い皿にはアオムシのスープが入っていた。

浅い皿にはクロムシをほぐして糸にし、オンブバッタの羽をレタスに見立てて作ったサラダが入っていた。

もう1つには三日月形のバターがのったトーストがあった。

そしてテントウムシのジュース、新鮮な湧き水(見た感じ)、頭痛薬があった。

「さ、ミントの分だ。食べろ^^」

「いただきます。」

ミントはナイフでバターをのばした。

【ぐ―うううううきゅるきゅるきゅる】

お腹がなる音がした。ミントのではない。

「・・・ピグミーさん、朝ごはん食べてないの?」

「・・・ああ、実はそれオレの分なんだ。」

テレながら言った。

「え・・・?」

「・・ミントは寝込んでいるからって、シェフが作ってくれなかったんだよ。冷たいやつだよなあ。」

「・・・じゃあ、全部ピグミーさんのです。」

「何言っていんだよ、ミント、夕べの夕飯ほとんど食べてないのだから、食べなきゃだめだよ。それに食べなきゃ薬飲めないしね。」

「ドキッ」

ミントはちょっとドキッとした。ピグミーがとても優しく接してくれるからだ。

「でも・・・ピグミーさん、番人でしょ?食べなきゃ番なんてできないよ。」

2人とも遠慮しあった。

「・・・わかったよ。ミントは優しいんだな。」

ピグミーはトーストを半分にすると、大きい方をミントに渡した。

ミントは大きい方をもらったことには気づかず、食べ始めた。

「・・・スープは半分にはできないな。」

トーストを食べ終えたピグミーがそういった。」

「じゃあ、スープあげます。」

そういってスープの皿をピグミーの方に押した。

「じゃあお言葉に甘えて・・・。」

ピグミーは素直にスープを飲んだ。その代わりミントはサラダをもらった。

食べ終えたミントが頭痛薬を飲もうとした、そのとき。

「あ・・・・ああ・・・っ」

いきなり激しい頭痛がミントを襲った。

「大丈夫か、ミントっ・・!」

【コン、コン、コン】

ドアをノックする音がした。

「ピグミー様、女王様がお呼びです。」

そういって家来は戻っていった。

「い・・・痛いよお・・」

「ミ・・・ミント・・・」

ピグミーは迷った。女王様の部屋へいけば、ミントが悲しんでしまう。ミントの面倒を見れば女王様に逆らうことになる。

「ご・・・ごめんよ・・・ミント―・・・。」

そういうとピグミーは部屋を出て行った。

「ピ・・・ピグミー・・・。」

ミントはなんとか薬を飲んだ。そしてベットへもぐりこんだ。

「・・・ふ・・ふえ〜ん・・・・」

ミントの目からは涙がこぼれおちた。あんなに優しくしてくれたピグミーは私より女王様を選んだのだから。

でも当たり前。ピグミーは女王様が好きだから・・・。

ミントは初めて自分の気持ちに気が付いた。

(ああ・・私・・・私ピグミーが好きなんだ・・・。)

たとえ届かない恋だとわかっていても、ピグミーに恋をしている自分がみじめに思えた。



第四章 悲しい出来事

 

 ミントが突然この世界にやってきて1週間がたった。

ミントはすっかり元気になっていた。

「さあミント、朝飯食べにいくか。」

「うん!」

もうミントはピグミーに対して敬語を使わなくなっていた。

朝食はアカジマトラカミキリのサラダとフウセンコガネのミックスジュースだった。

しかしスンミン様の主食はケセランパサランだったため、スンミン様はケセパミックスジュースだった。

「いただきまーす。」

いつもより少ないメニューに城の者は不満気味だった。

でもミントは少食だったため、満腹感を味わえた。

そんな幸せ気分のミント、不満たらたらの皆に大変な事態が襲った。

「大変です!!ジョ・・・ジョロウグモが城に侵入・・・・」

家来の一人が叫んだ。しかし大広間のドアにはもうクモが来ていた。そして家来の後ろに立ち、家来をおいしそうに食べてしまった・・・。

「きゃあああああ、わああああああ」

広間中、パニック状態になった。

「た・・戦えるものはすぐに攻撃せい・・・!!」

誰かが叫んだ。

シェフは全員、厨房から包丁をとってきた。番人はいつも見に付けている武器で戦うことになった。

「ピ・・・ピグミーも戦うの・・・?」

ミントは聞いた。

「ああ。戦わなければ・・・。あそこに女王様を守っている武士たちがいる。ミントはそこにもぐりこんで守ってもらうんだ。」

「い・・・嫌だ!私だって雷くらいちょちょいのちょいよ・・・!!竜巻だってハンマーだって投石だって・・・!!」

「いいから!早くもぐりこめ!!」

ピグミーは急に真剣な声でミントに言った。

「・・・」

ミントは無事にもぐりこむことができた。

【ガオーッ】

【ざっ、ざっ】

激しく戦う音が聞こえる。でも武士の背が高くて、ミントはその光景を見れない。

「ピグミー・・・ピグミーは大丈夫かな・・・」

ケガ人が続々出てきた。すぐに医務室へ運ばれていった。

(ピグミー・・・ピグミーはけがしてないかな・・・)

ミントはかなり心配だった。

「けが人がでたぞーっ!運べーっ!!」

また、けが人が出た。

(誰だろう・・・)

タンカで運ばれていった。ミントはついていった。

途中でコグモにでくわした。もしかしたら襲い掛かってきたあのとてつもなく大きいジョロウグモの子供かもしれない。

大広間の方で大きな音がした。シャンデリアが落ちたらしいのだ。

ミントはコグモを雷でまとめてやっつけると医務室へ向かった。

【キィ・・・】

医務室のドアを開けてみた。

「う・・・うう・・・」

ケガで苦しんでいるリヴリーや、ジョロウグモの毒におかされてしまったリヴリーが苦しみの悲鳴をあげていた。

「ああ・・・どうかピグミーがいませんように・・・」

しかしピグミーの声がした。

「え・・・」

奥のベットにピグミーがいた。

「ピ・・・ピグミー!!」

ピグミーはジョロウグモに噛まれてしまったのだ。そのときに毒まで入れられてしまった。

「ピグミー・・・・・」

「ミント・・・、大丈夫・・・さ・・・。く・・・薬のんだ・・か・ら・・。」

「ピグミー・・・・」

ミントの涙が毛布におちてしみた。

「さあ、あんた結構レベル上だろう?戦ってきなさい。」

医師の一人がミントに言った。

「はい。」

「ミント・・・気をつけろよ・・・。」

「うん。もしケガしたら・・・一発殴っておくれ。」

そういうとミントは大広間に向かって走っていった。

++++++++++++++++++

大広間ではなおも激しい戦いが続いていた。

けが人がいっぱいでたため、戦っている人が少なくなった。

「・・・ピグミーのかたきを・・とってやるわ・・・!!」

ミントはいきなり戦いの場に飛び込んだ。

「おりゃああああ!!」

シェフの1人が激しい声をあげて包丁で切りつけた。

クモはだいぶ弱っていたが、まだまだリヴリーにとっては強すぎる。

ミントは早速雷をした。

ミントの登場に皆ビックリしたが・・・、

「ミント、雷しまくってくれよな。」

という声が聞こえた。

「ピグミーのかたきとってやるう!!」

雷がクモを直撃した。

クモはミントに向かって突進してきた。

「えっ!!!!!!!!!!!!!!!!?」

ミントは得意の運動能力でピョンピョン逃げ回った。

そしてうしろから武士の1人が大きなオノでクモを切りつけた。

「ギャオッ・・・」

こうしてミントたちは無事、クモを倒した。

「・・ピグミー・・・!!」

ミントは足から少しだけ血を流していた。そんなことにはきもくれず、一目散に走り出した。

【ガチャッ!】

「ピグミー!」

「ミント・・・無事だったか」

薬が効いたのか、ピグミーはさっきより元気だった。

医師がすぐにミントの元に駆けつけて、足の治療をしてくれた。



第五章 ミントが城を去る日



 ミントがやってきて1ヶ月がたとうとしていた。ピグミーの怪我はまだ治っていなかったがミントのケガはすでに治っていた。

「ミント、車椅子押してくれないか?ここの段差、低いけどこえられないんだあ;;」

「うん。」

ミントは車椅子を押してあげた。

あの事件では幸い、女王様に怪我はなかった。

「それにしてもあの事件でミントが生き残ってくれてよかったよ・・。」

ピグミーはミントに優しく語りかけた。

(やっぱりピグミーは優しいなあ・・・)

ミントはピグミーが大好きだった。でもピグミーは女王様がすきだから、届かぬ恋だとずっと思っていた。

突然ピグミーが聞いた。

「ミントは好きな人とかいるのか?」

「・・・は・・・?」

ミントはビックリした。なぜそんなことをきくのか。

「・・・なんでそんなこと聞くの・・・」

「ああ、いや別に・・・」

私に、「ピグミーが好き!」とでも言わせて、おもいっきりふろうとでもしたのか。

ミントはおもいきっていってみることにした。

「そういうピグミーは・・好きな人とかいるの・・?」

ピグミーは赤くなった。

「別に・・・」

(やっぱり女王様が好きなんだ・・・だから照れて言えないんだ・・)

ミント特有の悪い癖、妄想がはじまってしまった・・・。

(私はピグミーが好きだってばれてたりして・・・)

変な妄想を始めてしまった・・・・

その日の夜。

ミントはベットに入った。

そして眠ろうとした・・・その瞬間。

【ドシッ】

いきなり誰かがのしかかってきた。それも布団の上から。

「ぬっ??!!!!!!!!!!」

ミントはビックリしてとびあがった。

「うわあっ、ゴメン!!!」

「なによ、ビックリするじゃない!」

「ゴ・・ゴメン・・・」

「・・・・・・」

「気づかなかったんだっ!ゴメン!」

「・・・・・・」

ミントは黙ったまま部屋を出て行った。

「や・・・やばい・・・」

簡単な理由でミントとピグミーは喧嘩をしてしまった・・・。

「もう・・・リヴリーアイランドに帰りたい・・・・。」

近くを通りかかった家来はそれを聞いてしまった。

「おいミント、帰りたいの?」

そりゃあミントがずっと裏に居れるはずがない。

「うん・・・もうこんなところ、いやだ!」

「そうか・・・なら、帰るか?」

「・・・え?帰れるの・・・?」

「もちろんさあ。ミントが帰りたいって言われたとき、ちゃんとかえせるようにネ。」

「へえ・・・」

このニュースは城中を駆け巡った。ついにピグミーの耳にも届いてしまった。

「お・・・おいっ!ミント、帰っちまうのか・・・?!」

「・・・かえる。」

「な・・・何言ってるんだよ、ミント・・・」

「帰りたいよ・・・」

「そんな・・・」

リヴリーアイランドには、大切な友達がいる。

「・・・そうか・・・」

ついにミントはリヴリーアイランドにかえる事になった

(最後までピグミーに好きっていえなかった・・・。)

どうせふられるのだから、告白しない方いいとミントは思っていた。

そしてついにミントがリヴリーアイランドに帰る日・・・。

大広間のテーブルを片付け、城の皆が集まった。

「では、ミント。ミントがリヴリーアイランドにかえるためには、そこへ帰す人が必要なのです。」

女王様がささやいた。

「通常なら私がしますが・・・、誰がいいです?指名しなさい。」

ミントはすぐにピグミーを指差した。

「オ・・・オレ?」

「最後くらい一緒にいたいものね。」

ミントはそういった。

「・・・・ミントお、さようなら・・・」

「元気でねー・・!」

という声が聞こえた。

「ミント、目をつむるんだ。3つ数えたら目を開けろ。」

ピグミーがそういった。

「うん。」

ミントは静かに眼を閉じた。

「1・・・・・・・」

「2・・・・・・・」

「3・・・。」

ミントは目を開けた。

そこにはピグミーしかみえなかった。

「さよなら。幸せになれよ・・・。」

ピグミーは泣いていた。

「ピグミー、泣かないで・・・。」

そういうミントも泣いていた・・・。

「ピグミー最後に聞いて・・・私・・・」

「・・・うん・・・」

「私・・・ピグミーが好きだよ―・・・・・。」

「・・み・・ミント・・・っ!!!!!」

「オレもミントが・・・・」

そこから何も聞こえなくなった。

「ミントが・・・」

かすかに聞こえる・・・ピグミーの声。ピグミーのぬくもり・・・。

「何言っているの・・・・ピグミー・・・」

「ミントが・・・好きだよ・・・!!」

そしてミントはだんだん薄くなり、消えていった・・・。

++++++++++++

気づいたらミントはリヴリーアイランド、それもバニヤンツリーの砂浜にいた。

「ピグミー・・・・・」

恋が届いた。嬉し涙がほおをつたってゆく・・・。

でもピグミーとはもう会うことはできない・・・。

マンホールがあった場所を強く踏んでももうくずれることはなかった。

でも夢じゃない。ピグミーのぬくもりがまだ残っているー・・・。

「う・・・、う・・っ」

ミントは立ち上がった。

「ピグミィィィィィィィィィィィ!!!!!!」

++++++++++++++++

不思議な出来事があってから1ヶ月。

「ピグミーは私の事覚えているかなあ・・・」

ピグミーと過ごした日々が思い出される。

ミントはパキケフーズでコガネグモを買ってきた帰りだった。

「また会いたいな・・・」

また涙がでてきた。

・ ・・家の前に誰かが立っている。

「・・・誰?」

友達じゃない。

「・・・」

博士でもない。

「・・・」

それは、ピグミーだった。

「・・・ピ・・・ピグ・・・」

「ミント!!」

「ピグミー・・・!!!!!」

そして二人は抱き合い、奇跡の再会をはたした―・・・。

ずっとずっとそばにいてくれる、大大大好きな人。

そしてそのぬくもり。

いつまでも、いつまでもそばにいてくれる・・・・

嬉しい気持ちがこみあげてくる。

「・・・ピグミー・・・ありがとう・・」

「ミント・・・」



「・・・大好きだよ・・・。ピグミー―。」







こうして世にも奇妙恋愛物語は、幕を閉じたのでした―。





【終わり】


島名:レモレモンIsland/飼い主名:ハルうらら/Livly名:★☆ミント☆★

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